夏合宿四日目(朝日小屋〜朝日岳〜花園三角点〜蓮華温泉)

さて、とうとう山を歩くのは最終日となりました。
この日は小屋組は4時10分ぐらいに起床。自分はあんまり眠れず(それでも8時半から4時前まで爆睡)。昨日寝すぎやって。
自分のパッキングをさっさと済ませてテン場へ。
裏口から外に出ていくと・・・もう準備してるではないか。
飯を作りながらテントも片付け始めていた。おまいらスゲーよ。
ちょうどご来光の時間だったので、

あんまりいい写真じゃねーな。もうちょっと後で撮ればよかった。
小屋組は五時に朝食。ほとんどみんな4時20分までに起きていたので、ほとんどの人がパッキング済み。
自分は5時半に小屋をでてテントの撤収を手伝う。見事なまでに快晴だったので、昨日一昨日に濡れたのがほぼ完璧に乾いていた。
そして5時50分に全ての片づけが終わった。6時前に全部終わったのって初めてとちゃう?
5時55分に全員で出発。

水平道の分岐までは昨日と同じ道で、分岐を通過した後はゆるーい登り道。
途中小さい雪渓があったり、ところどころぬかるんでいるので、あまり歩きやすくはない。
50分ほどで朝日岳の山頂に到着。
 
頂上では部員全員で集合写真。

あらためて見るとやっぱり多いね。中学・高校のワンゲルでこれだけ人数が多いのは灘だけでしょう。

朝日岳の山頂は360度の大展望。

日本海が結構近くに見えます。そういえば朝日岳って北アルプスの最北端だっけ。
手前に見えてる陸地は方角からして泊とか入善の辺りでしょう。この写真からは分かりませんが、黒部川と思われる大きな川が見えました。

これは山頂から南側を見たものです。昨日登った白馬岳が見えます。この写真から分かるように、この日は気持ちいいぐらい晴れてました。

山頂から親不知方面。こっちの写真のほうが日本海が良く見えます。
また、運がよければ雷鳥も見られるそうですが、今回は見れず。まあ去年の鹿島槍の合宿で雷鳥は見てるので、まあよしとしよう。
山頂で再び班を分割。B班は30分ぐらい頂上にいました。

7時10分に山頂を出発。ここからはひたすら下りです。
途中吹上のコルを28分で通過し、そこから先はいやらしいぬかるみの道へ。
さすがに地図にぬかるみの道と書いているだけあって、なかなかやばい。
川の上に道があるような感じで、登山道に水が流れていて、道はドロドロ。木道も木が濡れているために非常に滑りやすい。何人かは転んだようだった。
いやったらしい道を約二時間ほど行くと、花園三角点に。ここに水場があるはずのなのだが、それらしいものは見当たらない。A班は休憩せず通過したようだが、念のためB班は休憩した。
ここも景色は非常に良く、辺りは一面のお花畑。ここも

高山植物の写真を撮っていた先生が水場も発見。しかし、非常に分かりにくい。普通に歩いていたら全く気づかないだろう。
15分ほど休んでから出発。だんだん暑くなってきた。標高も1700mぐらいだし。
三角点からはしばらく木道が続く。木でできた階段をひたすら下りる。木道が終わるとカモシカ坂と呼ばれるかなりきつい下り坂。しかもさっきほどではないがかなりぬかるんでいる。
1時間半ほど歩いてきれいな川に出る。
鉄橋を渡って白高地沢で休憩。川の水も澄んでいて、岩魚でも棲んでそうな感じだった。ここで行動食。
25分ほど休んで出発。しばらくは川沿いを行く。この道は赤丸の標識にそっていけばいいのだが、赤丸が変なところにあったりして、分かりにくい。まあ結局は川沿いを行けばまちがいはない。
右側にヒョウタン池を見てゆるい下り道。ぬかるみも多い。
白高地沢から40分ほどで瀬戸川の鉄橋を通過。ここからは緩い上りになる。
ここも濡れていて滑りやすい木道。道も分かりにくい。
そしてアヤメ平と呼ばれる湿地帯を行く。ここも木道。
湿地帯が終わった辺りでA班に追いつく。もう残りわずかので、一緒に行くことに。
木でできた階段をしばらく行けば蓮華温泉のテント場に到着。時刻は午後3時。少しバテ気味の子がいたことを考えると、上出来なほうだろう。
今日の宿である蓮華温泉ロッジまではまだ少し距離はあるものの、ロッジを前にして集会をやるのはあれなので、ここで定例の終わりの集会。
部長が話して、副の俺が適当にしゃべって、もっちーが話す。そして今回合宿についてきた教頭がしゃべり、高2の担任の鎌ちゃんがしゃべる。そして、顧問の大森先生の番・・・・。
しかし、なかなか声が出ない。感極まって泣いてるようだった。
この合宿をもって高2は実質引退する。今の高2には思い入れがあったのだろう。
確かにこの4年半の間、いろいろなことがあった。
中一の夏、表銀座での合宿のときは、台風の接近に伴って、二日分の行程を一日で行った。宿に着いたのは午後6時。このときから当時中一だった部員は12人いた。
次の冬、九州の九重連山。猛烈な寒気が大陸からやってきた影響で、物凄い吹雪になった。前が全く見えず、しっかりと固定されていたザックカバーが飛ばされるほどの吹雪。
中一の六甲全山縦走。中一が初めて完走。
中二の夏。北岳のときも台風が来た。このとき当時、部員はこれで引退する高2と高一の新高一人、その下が中二途中一だったため、中二もワンゲルを支えていかなくてはならなくなった。その結果、会計と副部長は中二がすることに。
そして中3の夏。白山では最終日に猛烈な雷雨の中を歩く。近くに雷が落ちてなんか焦げ臭いにおいがしたのはまだ覚えている。そして、この合宿から中三が最高学年になる。
 
高一の夏。後立山連峰鹿島槍五竜岳。ここは毎年滑落で死者が多く出るところ。地図にも危険マークがあったところ。ここでは当時まだ経験二ヶ月ほどだった中一も完走させる。

そして今に至る。振り返ってみれば、今の高2は中二の真ん中ごろからワンゲルを支えてきた。

そして、この大人数である。

今までに一学年が10人を超えた学年はあったが、例外なく仲間割れが起き、最後まで残るのは半分ぐらいだったという。
しかし今の高2は途中3人ほど辞めただけで、仲間割れなど起きずに17人全員が団結していた。

こんな高2がとうとう引退のときを迎えた。大森先生もやはり高2に対する思い入れが強かっただろうし、高2自身もワンゲルに対する思い入れは強かっただろう。

結局2分ぐらい無言の時は続いた。そして、すこし長く話した後いつもの三本締め。そして、集会が終わる。

テント場からはロッジまで20分ほどかかるので、しばらく歩く。

そして、ラストの宿である蓮華温泉ロッジに到着。ここで今回の合宿の行程がすべて終了。もう高2も現役として山道を歩くことはなくなりました。

ここから解禁になって好き勝手にジュースとか買えるので、一本220円の缶ジュースに殺到。てか車通れる割には高い気がする。車の通れない白馬山荘や朝日小屋とそんなに変わらんし。

そして4日分の汚れを温泉で流す。今まで着ていた服は悪臭を放っているので、密閉してザックの底へ。

夕食を食べた後は部屋で雑談やトランプ。ここは温泉があるとはいっても山小屋なので、消灯は9時。9時を過ぎると完全に真っ暗になった。
それでもヘッドランプを使ってトランプや麻○をしている人多数。まあ最後やしね。静かにやってる分にはいいでしょう。

12時までにはほとんどの人が寝ていた。

(四日目終わり)